2014年(平成26年)10月4日の話。
この日は大阪府と京都府の府境にあたる北摂山系、京都西山(老ノ坂山地)の山域へ。
ひとまずはポンポン山に落ち着きますが、山頂は風の影響を強く受けるうえ、目当てとしていた京都タワーも見えにくく、改めて釈迦岳の展望地へと移動することにしました。
この時点で17時、ピンクリボンのライトアップは19時からと事前に告知されており、まだまだ時間には余裕がありそうです。
ポンポン山から大阪の「あべのハルカス」を撮影したり、昔からある「ポンポン山から琵琶湖を見通せる」説を検証した話は前回の記事に。
今回はその続きです。
目次
大阪府三島郡島本町 釈迦岳からの展望・眺望
京都方面の夕景
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
四明岳 | 22.8km | 838m | 京都府京都市左京区 | 都富士 |
大比叡 | 23.2km | 848.1m | 滋賀県大津市 京都府京都市左京区 | 都富士 |
大文字山 | 18.5km | 465.3m | 京都府京都市左京区 | |
如意ヶ岳 | 19.4km | 472m | 京都府京都市左京区 | |
逢坂山 | 20.4km | 324.7m | 滋賀県大津市 | |
音羽山 | 20.0km | 593.1m | 京都府京都市山科区 滋賀県大津市 | |
千頭岳 | 20.5km | 600m | 京都府京都市伏見区 滋賀県大津市 | |
三上山 | 38.6km | 432m | 滋賀県野洲市 | 近江富士 |
阿星山 | 38.6km | 693.0m | 滋賀県湖南市 滋賀県栗東市 |
台風第18号が日本列島に迫っていた影響もあるのでしょうか、夕焼けの色が妙にあやしく。
展望地の概要
釈迦岳の山頂は大阪府三島郡島本町と京都府京都市西京区の府境に所在しますが、上の写真を撮影した展望地は島本町側に所在します。
この展望地、地元の方々の間では「隠れ展望台」や「京都(を一望できる)展望台」などと呼ばれているようです(「見晴し展望台」と呼ぶハイカーさんもいらっしゃるらしい)。
その呼称が示すように、いわゆる「西山古道」のメインコースからは外れた、やや分かりにくい場所に位置していますが、なかなか見晴らしのよい展望所となっています。
「西山古道ハイキングマップ」に記載されている「展望台」とはまた異なる展望地です(本記事を公開後に発売された「西山古道を歩こう!」マップは未確認で、どういった扱いを受けているか分かりません)。
「隠れ展望台」へ至るには、島本町の大沢から登るコース、長岡京市の柳谷観音さんから西山古道を経て登るコース、長岡京市の奥海印寺さんから立石道を経て登るコースなどが考えられますが、本記事では京都市西京区側からのアプローチ、とくに、善峯寺さん側からのコースについて述べておきます。
今は「西山古道」の起点終点ともなっていますが、善峯寺さんの奥から釈迦岳への一般的なハイキングコースに入ります。
「善峯寺展望所」を過ぎ、しばらく登ると、西山古道を経て柳谷観音さんへ向かう左のコースと、釈迦岳を経てポンポン山へ向かう右のコースの分岐が見えますので、ここは右の釈迦岳方面に取ります。
続いて、下の分岐に。
「長岡京市・奥海印寺← →釈迦岳・ポンポン山」分岐の道標。
後方はヒノキの植林地。手前は善峯寺さんへ。
この道標の付近にも展望地とベンチがありますが、現状、「隠れ展望台」のほうがより良い眺めを得ることができます。
上の分岐を左の「長岡京市・奥海印寺」方面へ。
南東へ0.3kmほど下ったあたりで南の尾根をよく見ると、しっかりした踏み跡があります。
追記。
いつの間にやら、この付近の木々が払われており、京都盆地の西部~北西部が覗けるようになりました。
視界は限られているものの、ポンポン山の山頂からも見えにくいエリアですので、貴重な展望地と言えます。
西山古道のコース上ですので、意識せずにハイキングコースを歩いていても気付くでしょう。
追記終わり。
ここで南東の「京青の森」方面へ下るコースから外れて南の尾根に取り付きます。
あとは踏み跡を辿って南に0.1kmほど登れば展望台です。
展望地より日中の風景
厳密に申し上げるのであれば、こちらは展望を目的とした、いわゆる展望台ではありません。
伐採と植林の関係で、今は見晴らしが良い、というだけの話です。
育林が進んでおり、いずれ、眺望も失われる可能性があります。
島本町には向谷山の周辺や西山古道のコース上にも展望地がありますが、適度な高度と視界の広さから見て、こと京都方面については、現状、ここからの眺めがもっとも素晴らしいように感じます。
小塩山やポンポン山を含め、京都西山(老ノ坂山地)全体で見ても屈指の好展望地と言えるでしょう。
ただし、木々に遮られるため、現状では蓬莱山から生駒山・金剛山にかけてを眺望するのが限界で、それより右手、大阪のビル街、大阪湾などは遠望できません。
追記。
本記事の初稿を公開した時点では、当地は確かに「隠れ展望台」と呼ばれていましたが、いつの間にやら「釈迦岳大展望所」や「釈迦岳見晴台」と呼ばれるようになりました。
ハイカー間で広く周知され、もはや、「隠れ」た状態ではなくなったのでしょう。
さらに、この展望地の後ろのピークを(三角点の点名「大沢」の向谷山とは別に)「大沢山」と扱うようになったらしい?
私は基本的に現地現称を優先しますので、いずれ、本記事のタイトルを改める日が来るかもしれません。
地域の境界が近い山域は扱いが難しいので、少しばかり静観いたします。
追記終わり。
京都南部方面の夕景
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
大峰山 | 20.7km | 506.3m | 京都府綴喜郡宇治田原町 | 最高点は約510m |
釈迦岳 (鷲峰山三角点峰) | 27.2km | 681.0m | 京都府綴喜郡宇治田原町 京都府相楽郡和束町 | 点名「鷲峰山」 |
空鉢峰 (鷲峰山) | 26.8km | 682m | 京都府相楽郡和束町 | |
太神山 | 31.4km | 599.6m | 滋賀県大津市 | |
笹ヶ岳 | 41.7km | 738.5m | 滋賀県甲賀市 |
北摂山系、京都西山の「釈迦岳」から、笠置山地・鷲峰山系の「釈迦岳」を望むことができました。
大雑把に申し上げて、長岡京市、乙訓郡大山崎町、京都市伏見区、久世郡久御山町、宇治市、城陽市のあたりが見えています。
右手前には大山崎ジャンクション周辺、中央やや右寄りには久御山ジャンクション周辺が写っています。
遠くには湖南アルプスの連なりや、さらに後方には信楽の笹ヶ岳なども写っていますが、すでに日没後ということもあり、うっすらした見え方にすぎません。
北河内方面の夕景
釈迦岳の展望台から主に北河内方面の夕景、交野山、生駒山を望む。
撮影地点から生駒山(奈良県生駒市、大阪府東大阪市)まで28.1km。
大雑把に申し上げて、淀川の対岸に八幡市、枚方市、交野市のあたりが見えています。
樟葉の高層マンションも写っていますね。
生駒山の左、なだらかに連なっているのは、国見山や交野山、旗振山など、生駒山地でも北部寄りの山々ですが、いずれのピークも分かりにくいため、今回は山名を表示していません。
また、交野山や生駒山の向こう、矢田丘陵は写っていますが、さらにその後方、奈良盆地の東縁に連なる竜門山地の山々については、きわめて曖昧で、肉眼ではほぼ見えていません。
夕景を撮影しながら、ふと、京都タワーを見やると、すでに淡いピンク色の光で照らされているような……。
ピンク色の京都タワーを遠望
釈迦岳の展望台からピンク色にライトアップされた京都タワーを望む。
京都タワーの左後方には霊山観音さん、右後方には清水寺さん。
撮影地点から京都タワー(京都市下京区)まで12.5km。
まだ17時55分頃ですが、やはり、京都タワーが点灯しています。
京都タワーがピンク(桃色)に照らされているのは、「ピンクリボン京都2014」に伴うイベントです。
例年、ピンクリボン運動の啓発のため、京都タワーがピンク色にライトアップされますが、今年の1月には初めて? 合格祈願で「さくら咲く」桜色にライトアップされました。
ただし、色合いを見るかぎり、ピンク色のライトアップと桜色のライトアップは同質と考えられます。
ピンクリボン京都さんのサイトによると、点灯は「午後7時頃から」となっていますが、「日没にあわせて多少開始時刻は前後いたします」ともあります。
台風が接近していたこともあり、カウントダウンを繰り上げたのかもしれませんね [1]。
ライトアップの開始時刻までのんびり過ごすつもりでしたが、思いのほか早く目的を果たしてしまいました。
あと少し待てば、清水寺さんのライトアップや観音慈光(慈悲の光)も併せて望むこともできそうですが、私も予定を早めて下山することにします。
下山前、最後に少しだけ夜景を撮影することに。
京都方面の夜景
釈迦岳の展望台(大阪府三島郡島本町)から主に京都方面の夜景を望む。
左端に比叡山、ピンク色の京都タワー、右に醍醐山地の南端までを収めています。
京都南部、大阪北東部方面の夜景
釈迦岳の展望台から京都南部、大阪北東部方面の夜景、お月さまを望む。
左端に鷲峰山、右端に生駒山までを収めています。左手前に大山崎ジャンクション周辺。
普段は東山にあたる山域から望むことが多い、京都、大阪の夜景ですが、西山からの夜景も美しく。
「西山古道」周辺の整備、維持管理に努めていらっしゃる方々にも感謝いたします。
…12日、世界臓器移植デー(グリーンリボン)に伴う緑色のライトアップの撮影はさすがに諦めました(笑
関連記事 2014年10月 京都西山の風景
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- ポンポン山の由来 ハルカスを遠望 琵琶湖は見える? 加茂勢山
- 釈迦岳 隠れ展望台の夜景 北摂・西山古道 ピンクの京都タワー
釈迦岳(地理院 標準地図)
「釈迦岳(シャカダケ)(しゃかだけ)」標高630.8m(三等三角点「善峰」)
大阪府三島郡島本町、京都府京都市西京区
脚注
- 追記しておきますと、関西4タワーさんの公式ブログでは「18:00~の予定」となっていました。[↩]
最近のコメント