2013年(平成25年)6月中旬の話。
ササユリ(ささゆり)のお花などを見物するため、滋賀県近江八幡市の津田山(奥島山)と、その周辺峰を登山。
津田山は琵琶湖に突き出た半島状の丘陵で、かつては奥島(奥津島)と呼ばれる島でした。
湖水と山岳の織り成す景観に惹かれていることもあり、私は毎年のように湖東の丘陵を訪れています。
暑い日が続いたため、今年は開花も早まるだろうと予想し、昨年より1週間ほど早く訪れることに。
年によっては6月下旬が見頃でしたが、年々、花期が早くなる印象を受けます。
1株で4輪のお花を咲かせるササユリ(笹百合)。津田山(奥島山)。
昨年、山中深くで見つけた株ですが、まったく同じ場所に同じ数だけ咲いていました。
私の背丈よりは低いものの、伸びに伸びた深い藪の中でササユリがひっそりと咲いていました。
これほど背が高い株は他所では見たことがありませんが、シダや藪の高さを上回るために頑張っているのでしょうか。
ササユリは何年も続けて同じ場所に咲くことはないと聞き及んでいます。
こちらの株もあと何年もつかは分かりません。
薄暗い林の中に西日が差しています。
「津田山(つだやま)」の山名について、国有林としては「奥島山(おくのしまやま、おくしまやま)」、現地の道標や古い山名標では「姨綺耶山(いきやさん、いさきやま)」としています。
姨綺耶山は長命寺さんの山号ですが、南に連なる長命寺山と混同しやすいため、本記事ではハイカーの間で親しまれている「津田山」の呼称を優先しておきます。
私が「おくのしまやま」や「いさきやま」とも読みを付けている点に疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません(が、間違っているわけではありません)。
大輪のお花を咲かせていました。
先ほどの写真の株も、上の写真の株も、ハイカーすら通らない場所に咲いているため、採取される可能性は低そうですが、年々、日照条件が悪化しているため、いつまで残るかは分かりません。
津田山や、その周辺峰では、昔は多くのササユリが見られましたが、他の山々と同様、当山域でも株数を大きく減らしています。
もはや、それを目当てに訪れるような山ではなく、いずれは山から姿を消すかもしれません。
ツルアリドオシ(蔓蟻通し)のお花。
昔より数を減らしたように感じますが、この山に多い植物です。
他にはヤマアジサイやナルコユリなどが咲いていました。
後者は花期終わりで見納め。
琵琶湖畔のアジサイ(紫陽花)と夕景。近江八幡市の水ヶ浜にて。
上の写真のみ、下山後、寄り道して琵琶湖畔の水ヶ浜で撮影したものです。
私は昔から当地を気に入っており、この時期、長命寺さんや津田山、沖島などと合わせて訪れることが多く。
今年はアジサイ(あじさい)のお花の付きがよくないように感じました。
この日は明け方から湿度が高く、雲が出ていたこともあり、夕日の見え方は今ひとつでしたが、心地よい風が吹いており、よい夕涼みができました。
展望も今ひとつでしたが、それでも、比良山地の蓬莱山や「都富士」比叡山は写真に写っていますね。
以上、2013年6月の話。
追記しておきますと、惜しいかな、本記事に掲載した写真に写る、とくに大きなササユリの株は、後年、失われてしまいました。
この時点で藪の高さは私の背丈より少し低い程度でしたが、2016年(平成28年)には私の背丈を上回り、異様ともいえる、2m近い高さまで伸びていました。
人為的に保護される他の山の環境を見学するかぎり、やはり、ササユリの生育のためには適度に藪を払い、日照条件を維持しないといけないようです。
2016年の話は上の記事に。
「津田山」の山名や奥島についての考察も合わせて掲載しています。
津田山(奥島山)(地理院 標準地図)
「津田山(ツダヤマ)(つだやま)」別称として「奥島山(オクノシマヤマ、オクシマヤマ)(おくのしまやま、おくしまやま)」「姨綺耶山(イキヤサン)(いきやさん)」
標高424.5m(三等三角点「津田」)
滋賀県近江八幡市
※津田山は地域区分としては湖東にあたりますが、「近江湖南アルプス自然休養林・奥島地区」に含まれるため、便宜上、「湖南の山」タグを付けています。
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