鈴鹿山脈のヤマシャクヤク 八重咲きの山芍薬 2013年5月

2013年(平成25年)5月の話。
やや変わったヤマシャクヤクを観察するため、この日は鈴鹿山脈の山を登山。
おおむね見頃を迎えた群生地で、お花に囲まれながら、ひとり静かに過ごします。

ヤマシャクヤクの花 遠景 鈴鹿山脈 2013年

鈴鹿の山芍薬 変わり種のヤマシャクヤク群生地 2013年5月

2013.05.09

今回の記事は上の記事の続きです。
私が知るかぎり、鈴鹿でヤマシャクヤクは珍しいお花ではありませんが、他の山域ではあまり見掛けない変異型のヤマシャクヤクが咲いているため、具体的な山名を出すのは控えておきます。

見頃を迎えたヤマシャクヤク群生地 山芍薬 鈴鹿山脈 2013年
見頃を迎えたヤマシャクヤク(山芍薬)の群生地。

ヤマシャクヤク群生地 つぼみが目立つ斜面 鈴鹿山脈 2013年
もっとも、つぼみが多く残されている斜面もありました。

過酷な環境で育つヤマシャクヤク 鈴鹿山脈 2013年
過酷な環境にあっても、けなげにお花を咲かせています。

前回の記事でも申し上げましたが、一般的なヤマシャクヤクの花弁は5枚~7枚。
ところが、この山には8枚以上の花弁をつけるヤマシャクヤクもちらほらと。
また、花色や雄しべの変異(雌しべの柱頭ではなく)も見受けられます。

以下の写真はすべて別々のお花を撮影したものです。

ヤマシャクヤク 7弁花 鈴鹿山脈 2013年
こちらは7弁花ですが、なかなか整った美しい形をしていました。
一見すると6弁にも見えますが、よく数えると7弁あります。

ヤマシャクヤク 寄り添うように咲く花 鈴鹿山脈 2013年
寄り添うように咲いていました。

ヤマシャクヤク 小ぶりな花と葉 鈴鹿山脈 2013年
こちらは妙に葉が小さく。

ヤマシャクヤク 八重咲き 鈴鹿山脈 2013年
八重咲きのヤマシャクヤク。

ヤマシャクヤク 八重咲き 淡いクリーム色の花 鈴鹿山脈 2013年
八重咲きのヤマシャクヤクですが、淡いクリーム色のお花です。
写真では分かりにくいですが、真っ白なお花とは明確に色合いが異なります。

京都北山ではあまり見掛けませんが、この山に限らず、鈴鹿山脈ではクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤクをちらほら見掛けます。

ヤマシャクヤク 淡いクリーム色の花 鈴鹿山脈 2013年
こちらも同様に、花弁の数が通常より多く、かつ、淡いクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤク。

ヤマシャクヤク 濃いクリーム色の花 鈴鹿山脈 2013年
こちらは濃いクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤク。
もはや黄色に近いですね。

ヤマシャクヤク 八重咲き 濃いクリーム色の花 鈴鹿山脈 2013年
八重咲き、かつ、濃いクリーム色のお花を咲かせるという、自生としては珍しいのではないかと思われるヤマシャクヤクです。

ヤマシャクヤクを含む植物群落には他の植物もお花を咲かせていました。
京都ではヤマシャクヤクと混生しやすい植物を鈴鹿では見掛けなかったり、同じヤマシャクヤクの自生地でも地域差が生じるのが興味深いところです。

地エビネ(エビネラン) 京都北山 2015年5月

京都北山 地エビネの移植 ヤマシャクヤクとフタバアオイ

2015.05.12

京都北山のケース。
長年、観察していますが、京都の山は一般的なヤマシャクヤクより、ベニバナヤマシャクヤクの白花型(白色型)のほうが多い印象を受けます。
実は、私がベニバナヤマシャクヤクの白花型の存在に気付いたのは鈴鹿山脈での話で、随分昔、鈴鹿でもかなり奥深い山域で、6月に咲く背が高いヤマシャクヤクを発見し、これは普通のヤマシャクヤクとは花期も姿も異なると感じたのがきっかけでした。

関連記事 2013年5月 変異ヤマシャクヤク群生地

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!