2013年(平成25年)5月の話。
やや変わったヤマシャクヤクを観察するため、この日は鈴鹿山脈の山を登山。
おおむね見頃を迎えた群生地で、お花に囲まれながら、ひとり静かに過ごします。
今回の記事は上の記事の続きです。
私が知るかぎり、鈴鹿でヤマシャクヤクは珍しいお花ではありませんが、他の山域ではあまり見掛けない変異型のヤマシャクヤクが咲いているため、具体的な山名を出すのは控えておきます。
見頃を迎えたヤマシャクヤク(山芍薬)の群生地。
もっとも、つぼみが多く残されている斜面もありました。
前回の記事でも申し上げましたが、一般的なヤマシャクヤクの花弁は5枚~7枚。
ところが、この山には8枚以上の花弁をつけるヤマシャクヤクもちらほらと。
また、花色や雄しべの変異(雌しべの柱頭ではなく)も見受けられます。
以下の写真はすべて別々のお花を撮影したものです。
こちらは7弁花ですが、なかなか整った美しい形をしていました。
一見すると6弁にも見えますが、よく数えると7弁あります。
八重咲きのヤマシャクヤクですが、淡いクリーム色のお花です。
写真では分かりにくいですが、真っ白なお花とは明確に色合いが異なります。
京都北山ではあまり見掛けませんが、この山に限らず、鈴鹿山脈ではクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤクをちらほら見掛けます。
こちらも同様に、花弁の数が通常より多く、かつ、淡いクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤク。
こちらは濃いクリーム色のお花を咲かせるヤマシャクヤク。
もはや黄色に近いですね。
八重咲き、かつ、濃いクリーム色のお花を咲かせるという、自生としては珍しいのではないかと思われるヤマシャクヤクです。
ヤマシャクヤクを含む植物群落には他の植物もお花を咲かせていました。
京都ではヤマシャクヤクと混生しやすい植物を鈴鹿では見掛けなかったり、同じヤマシャクヤクの自生地でも地域差が生じるのが興味深いところです。
京都北山のケース。
長年、観察していますが、京都の山は一般的なヤマシャクヤクより、ベニバナヤマシャクヤクの白花型(白色型)のほうが多い印象を受けます。
実は、私がベニバナヤマシャクヤクの白花型の存在に気付いたのは鈴鹿山脈での話で、随分昔、鈴鹿でもかなり奥深い山域で、6月に咲く背が高いヤマシャクヤクを発見し、これは普通のヤマシャクヤクとは花期も姿も異なると感じたのがきっかけでした。
関連記事 2013年5月 変異ヤマシャクヤク群生地
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
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- 鈴鹿山脈のヤマシャクヤク 八重咲きの山芍薬
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