2013年(平成25年)3月の話。
Aさんと1泊で鈴鹿山脈でも北端部にあたる霊仙山をスノートレッキング。
暦の上では冬は過ぎたと言えども、霊仙山の山上はまだまだ雪が深く、湖北の春は遠しと感じさせます。
初日のお天気は今ひとつだったものの、2日目の夜明けは好条件。
美しい朝日、それに、遠く北アルプスから南アルプスの山々まで見渡すことができ、強い風、凍えそうな寒さはともかくとして、景色の面では幸先の良いスタートとなりました。
暴風が吹き荒れる中、朝日や御嶽山を拝んだ話は上の記事に。
今回はその続きです。
嵐の夜が明けた霊仙山。白い雪原に真っ青な空の色が映えます。
右のピークが霊仙山九合目(経塚山)、左のピークが霊仙山最高点(最高峰)。
九合目の上空にはかろうじてお月さまが写っていますね。
いよいよ出発です。
向こうに見える霊仙山の九合目(経塚山)を目指します。
経塚山(霊仙山九合目)の山頂を通過。
空気が澄んでおり、妙にクリアかつシャープな写真となりました。
追記。
地理院地図に表示される基準点(独標)としては標高1040mですが、精度が高い「基盤地図情報5mメッシュ(標高)」(DEM5A)で調べるかぎり、経塚山の標高は1046mを超えているようです。
追記終わり。
立っているのもままならないような暴風により、前日は登頂を断念し、私はこちらの経塚山(九合目)で撤退しています。
夜間よりましとはいえ、この朝も強い風が吹いていましたが、よく休み、体力も回復しており、なんとか霊仙山も登頂できそうです。
私としては雪山歩きを楽しめればそれでよく、とくにピークハントにこだわりがあるわけではありませんが、まずは最高点へ。
霊仙山最高点から伊吹山や西美濃の山々、白山(加賀白山)を遠望する。標高1094m。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
白倉岳 (白倉ノ頭) | 30.4km | 1270.7m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 滋賀県長浜市 | |
金糞岳 | 30.3km | 1317m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 滋賀県長浜市 | |
烏帽子山 | 44.3km | 1242.2m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 | |
不動山 | 48.5km | 1240.3m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 | |
千回沢山 | 49.3km | 1246.0m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 | |
ブンゲン (射能山) | 25.3km | 1259.7m | 岐阜県揖斐郡揖斐川町 滋賀県米原市 | |
伊吹山 | 15.6km | 1377.3m | 滋賀県米原市 | 滋賀県最高峰 |
霊仙山の最高峰を登頂。
山名標では「1098メートル」となっていますが、現行の地理院地図では標高1094mです。
三角点(標高1083.5m)とは別の地点に所在しており、単純に高低だけで判断するのであれば、最高点が「霊仙山の山頂」と言えるでしょう。
ただし、歴史的な経緯もあり、三角点峰を山頂と捉える方も少なくありません。
「霊仙山」の読みについては、古くは「りょうぜんざん」が一般的でしたが、近年では「りょうぜんさん」と濁らないケースも増えているようです。
1924年(大正13年)の『近畿の登山』では「靈仙山(れうぜんざん)」、別称として「靈山(れいせん)」としています。
つまり、「霊仙山」と称する場合は「りょうぜんざん」、「霊山」と称する場合は「れいせん」。
このあたりが混同されたものか、「霊仙」の読みを「りょう『せん』」や「れいせん」とする古い地名辞典などもあります。
たとえば、1906年(明治39年)の『日本山嶽志』(日本山岳志)では「靈仙(れいせん)山」、別称として「靈(れい)山」としています。
夜明け時には霞んだ印象を受けた白山も、日が昇るにつれて浮かび上がるような見え方に。
鈴鹿山脈の霊仙山最高点から加賀白山、能郷白山を遠望する。眼下に避難小屋。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
能郷白山 | 55.0km | 1617.4m | 岐阜県本巣市 岐阜県揖斐郡揖斐川町 福井県大野市 | |
前山 | 54.1km | 1513m | 岐阜県本巣市 (岐阜県揖斐郡揖斐川町) | 標高の値は 10mDEMによる |
御前峰 (白山) | 103.4km | 2702.1m | 石川県白山市 岐阜県大野郡白川村 | 石川県最高峰 両白山地最高峰 |
別山 | 98.1km | 2399.3m | 石川県白山市 岐阜県高山市 岐阜県大野郡白川村 |
白山にピントが合っていませんが、他によい写真がなく。
別山の手前には三ノ峰や、実質的な福井県の最高峰である打波ノ頭(越前三ノ峰)も重なるように写っています。
前山は文字どおり能郷白山の前衛峰で、山頂の東に三角点1491.2m(点名「白砂礫」)が所在します。
最高点を離れ、続いて三角点へ向かいます。
遠くに白山や伊吹山を望みながら、白い雪原の上、霊仙山最高点と三角点を結ぶ尾根を伝います。
このあたりで前日から私を悩ませていた風が弱まってきました。
上の写真、よく見ると、Aさんの手にはそりが。
これはつまり……、
お楽しみタイムということですね。
雄大な西南尾根を背に、雪そり遊びに興じるAさん。
この朝は気温が低く、この時期としては雪も締まっており、滑りやすい雪質でした。
白山や伊吹山を背にして、また別の斜面をゲレンデとして雪そり遊びに興じるAさん。
私にとっては冬の恒例行事とも言える霊仙山での雪遊びです。
何度も何度も登ったり滑ったりを繰り返した跡がスロープに刻まれています。
滋賀県の山から白山を望みつつ雪遊びできる喜び。
貸し切り状態にある霊仙山で思う存分楽しむことができました。
整理の都合で記事を分けます。
続きは上の記事に。
関連記事 2013年3月 大展望の霊仙山で雪遊び
すべて同時期の山行記録です。併せてご覧ください。
- 雪の霊仙山 経塚山から夕日を望む 米原市・多賀町 鈴鹿山脈
- 霊仙山 朝日で輝く霧氷と雪 木曽御嶽山と中央アルプスを遠望
- 霊仙山の雪景色 白山や伊吹山を遠望 最高点から 鈴鹿北部
- 霊仙山の樹氷 白山や御嶽山を遠望 雪積もる三角点峰から
霊仙山(地理院 標準地図)
「霊仙山最高点(リョウゼンザン、リョウゼンサン)(りょうぜんざん、りょうぜんさん)」標高1094m
滋賀県犬上郡多賀町(山域は滋賀県米原市、岐阜県大垣市、不破郡関ケ原町に跨る)
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