2012年(平成24年)11月下旬に比叡山を登った日の話。
この日の比叡山から恐ろしく遠くの山々まで見えていました。
とくに好条件だった北向きや北東向きの空と比較すると、南東や南南東向きにあたる高見山地や台高山脈の低い空には薄い雲が出ており、やや惜しい印象を受けます。
ですが、南向きについては、霞んではいるものの、こちらも遠く奈良の大峰山脈まで条件よく見えていました。
布引山地や室生山地……、「伊賀富士」尼ヶ岳や大洞山はともかく、比叡山から高見山地以南の山々が見える日は珍しく、その点を考慮すると、この日は総じて条件が良かったといえるでしょう。
これは太陽が高い時間帯の話であり、たとえば、空気が澄んだ冬の夜明けには高見山地の山々を望む機会も増えます。
今回の記事は、
上の記事の続きです。
前回までの記事で、比叡山四明岳から御嶽山や白山を撮影した写真を掲載しました。
今回は南東や南向き、次回は南西向きの話です。
比叡山四明岳(京都市左京区)から大津、琵琶湖、近江大橋、瀬田川を俯瞰し、遠くに室生山地(室生火山群)、高見山地などの山々を望む。
撮影地点から迷岳(三重県松阪市、多気郡大台町)まで約86.5km。
三峰山(三重県松阪市、津市、奈良県宇陀郡御杖村)まで約76.5km。
迷岳の左手前にうっすら兜岳と鎧岳が見えていますが、上の写真では分かりにくいです。
また、大洞山の右肩、わずかに栗ノ木岳の山頂部が見えていますが、やはり、上の写真では分かりにくく、いずれも山名は示していません。
栗ノ木岳と並ぶ修験業山は分かりやすいでしょうか。
この構図の右手には高見山が所在しますが、比叡山からだと、北部台高の桧塚、桧塚奥峰の手前に重なってしまうため、愛宕山から望むときとは異なり、その山頂を正確に見定めることは困難です。
比叡山四明岳から大峰山脈、大台ヶ原、台高山脈の山々を遠望する。
撮影地点から大峰山脈最高峰の八経ヶ岳(奈良県吉野郡天川村、上北山村)まで約99km。
台高山脈最高峰の日出ヶ岳(三重県多気郡大台町、奈良県吉野郡上北山村)まで約101km。
比叡山や大文字山から淡路島の諭鶴羽山を遠望することと比べれば、大峰山や大台ヶ原山を遠望するほうが容易で、撮影する機会も多いですが、それでもそう頻繁に条件よく見えるわけではありません。
この日は日没後も大峰山脈の稜線が浮かび上がるように見え続けていました。
本当に空気が澄んでいる、いわば好条件といえる日です。
比叡山四明岳から生駒山、交野山、遠くに和泉山脈の山々を望む。
撮影地点から和泉山脈最高峰の南葛城山(嵯峨谷ノ峰)(大阪府河内長野市、和歌山県橋本市)まで約82.5km。
生駒山地最高峰の生駒山(奈良県生駒市、大阪府東大阪市)まで約44.5km。
生駒山が見えることそのものは珍しくありませんが、ここまで明瞭に眺める機会はなかなかありません。
南葛城山は和泉山脈の最高峰ですが、生駒山に遮られるため、大文字山からはっきりとその姿を望むことはできません。
比叡山からは南葛城山まで見通すことができますが、これは京都東山の山々としては貴重といえるでしょう。
信貴山の右遠方(すぐ後方に見えている稜線ではなく、さらにその奥)に薄く見えているのは長峰山脈東端の天狗岳。
同じく信貴山の左遠方、さらに曖昧な見え方をしているのは白馬山脈の連なりですが、上の写真では確認が難しいでしょうから山名は示していません。
時間帯によるかもしれませんが、この日は紀伊山地西部方面のみ、今ひとつともいえる見え方でした。
距離の問題は別として、京都市の山から紀伊山地西部の高峰は見えにくい印象を受けます。
整理の都合で記事を分けます。
続きは上の記事に。
2012年11月25日の比叡山の話は次回で終わりです。
最後は南南西向き、そう、大阪湾方面の話です。
この日、一番素晴らしい出来事だったのは、実は……。
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比叡山 四明岳(地理院 標準地図)
「四明岳(シメイガタケ)(しめいがたけ)」
標高838m
京都府京都市左京区
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