TAG 和泉山脈

和歌山県と大阪府を分ける和泉山脈に属する山。
東は行者杉から西は高森山・紀淡海峡まで。
いわゆる紀泉アルプス(紀泉高原)の山々も含みます。
大阪平野周辺では珍しい「山脈」で、大阪平野外周の3府県(京都府大阪府兵庫県)には、他に山脈が存在しません。
山脈の東部(三国山以東)は河内国に跨り、「和泉」山脈の呼称に違和感も覚えますが、たとえば、農商務省地質調査所による1902年(明治35年)の『和歌山圖幅地質説明書』に「河泉兩國ト紀伊トヲ分界セル山脈アリ、紀伊川灌域平地ト大阪灣沿岸平地トノ分水界ヲナス、之ヲ和泉山脈ト稱ス」と見えるように、とくに明治時代以降、河内和泉両国(大阪府)と紀伊国(和歌山県)を分ける山脈と扱われました。

山域の最高峰は南葛城山(嵯峨谷ノ峰)(922m)。
便宜上、登山者の間で「醤油谷の頭」と扱われていた(らしい)この山を「南葛城山」と呼ぶようになったのは、1924年(大正13年)発行の『近畿の登山』が仮称とした影響。
「嵯峨谷」は和歌山県側の地名。
『近畿の登山』には「和泉山脈 葛城山(約九百二十米)(假に南葛城と稱しておく) 河內國南河內郡紀伊國伊都郡境上に聳ゆ。岩湧山の背後に横はり、七越連峰に連なる和泉山脈第一の高峰である。」とあり、この当時は約920mの山と見なされていました。
かつて、南葛城山の標高を922mと最初に示したのは、おそらく私ではないかと思いますが、いつの間にやら定着したらしい?
これは当時の数値標高モデルから読み取った値を広めたものですが、今となっては情報が古く、2018年(平成30年)時点における最新の標高データ「基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュ」(DEM5B)では、南葛城山の最高地点は標高約924mとなっています。
DEM5Bが更新されれば、今後も標高値は変化する可能性があるでしょう。

とくに代表的な山として、東から西へ、タンボ山(762.8m)、三石山(738.3m)、岩湧山(897.1m)、一徳防山(541m)、槙尾山(600m)、燈明岳(東ノ燈明岳)(856.8m)、八ヶ丸山(419m)、三国山(885m)、大石ヶ峰(860m)、経塚山(825m)、和泉葛城山(858m)、高城山(649m)、燈明ヶ岳(558m)、三峯山(576.0m)、小富士山(259.3m)、梵天山(468.5m)、四石山(384.4m)、雲山峰(489.8m)、俎石山(419.8m)、和泉飯盛山(泉南飯盛山)(384.4m)、学文字山(212m)、四国山(241m)、高森山(234.4m)など。
若い頃から登り続けていることもあり、岩湧山には強い思い入れがありますが、上で名を挙げきれなかった美しい山々は多数あります。

時間が足りないこともあり、山行記録として残しているのは、ごく一部だけです。
あしからず!