2016年(平成28年)8月27日の夜、遠くで打ち上げられる花火と大観覧車のライトアップを合わせて撮影するため、京都府宇治市の朝日山と仏徳山(大吉山)を登りました。
朝日山は「大吉山展望台」で知られる仏徳山に隣接する山で、宇治神社さんや興聖寺さんの裏山にあたり、山頂には朝日山観音さんがお祀りされます。
山頂の付近は「朝日山観音展望台」として開かれており、眼下には宇治川や平等院鳳凰堂など宇治の景色を広く見渡せます。
朝日山は今年の6月、県祭りの時期にも訪れました。
日中の風景や大雑把なハイキングの話は上の記事に。
朝日山(や仏徳山)の由来や歴史についても詳しく紹介していますので、そちらを目当てに本記事を訪れた方は上の記事をどうぞ。
宇治の朝日山観音展望台から吹田の大観覧車越しに伊丹の花火大会を遠望する。オープニング。
撮影地点から花火の打ち上げ地点まで約38km。
「EXPOCITY(エキスポシティ)」の大観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホース オオサカ ホイール)」越しに、「第36回いたみ花火大会」の打ち上げ花火が写っています。
大観覧車の高さは123mで、花火はそれより高く上がりますが、地球が丸いため、遠く離れた宇治の低山から望むと同等の高さのように感じます。
近年、アニメ作品の舞台として有名になった大吉山と異なり、夜の朝日山にはどなたもいらっしゃらないだろうと登頂してみたら、意外なことに先客さんが展望台にいらっしゃいました。
私は遠くで上がる花火を撮影に来たと告げると、先客さんは「そういえば、先ほど万博公園のほうで花火が上がった」とおっしゃいます。
伊丹の花火大会の開始時刻はまだ先でしたので、おそらくは試射だろうと推測し、「花火の開始は20時からなので、それは打ち上げテストでしょう」と申し上げました。
後で分かりましたが、この日、万博記念公園で開催されたコンサートのフィナーレでサプライズ的な花火が打ち上げられたそうです。
私は見逃しましたが、上がった時間を考えると、先客さんがご覧になったのはその花火でしょう。
あと少し早く登っていれば私も観賞できただけに惜しく思いますが、短時間の突発的な出来事には対応できず、どのみち撮影できなかっただろうとも。
ところで、先客さんは「万博公園のほうで花火が上がった」とおっしゃいました。
そのことからも察せられるように、先客さんは朝日山観音展望台から見える風景について正しく把握なさっていました。
おそらくは地元の方でしょうが、遠くに目を向ける方は少ないので驚いてしまいます。
朝日山観音展望台の夜景。眼下に広がる宇治の風景、遠くには観覧車が……。京都府宇治市。
これは花火が上がる前に撮影した夜景ですので、紫色にライトアップされた大観覧車は写っていますが、まだ花火が写っていません。
ちょうど中央付近、白い矢印で指しているのが大観覧車オオサカホイールです。
日中の明るい時間帯に広角的な視野で撮影した写真では場所が分かりにくいですが、ライトアップされる夜間であれば肉眼でも場所が分かります。
先客さんは宇治の夏の風物詩である「宇治川の鵜飼」を撮影にいらっしゃったそうです。
私も他人のことは言えませんが、面白いことを思いつく方もいらっしゃるものだと感心することしきり。
宇治川や平等院さんが見えやすい特等席を空けようとなさいましたが、私が目当てとする花火は展望台の隅からでも見えますので、ご厚意に感謝しながらも、迷惑にならないよう端に陣取ります。
物思いに耽りながら美しい夜景を眺めているうちに、花火大会開始予定時刻の20時を迎え、観覧車の向こうで花火が上がるのが見えました。
そのオープニングを撮影したのが、今回の記事の冒頭に掲載している写真です。
花火の打ち上げ地点や、近隣の大阪国際空港(伊丹空港)の周辺は標高が低く、せいぜい標高15m未満。
観覧車と伊丹の間には千里山や千里中央周辺の丘陵地が所在するため、標高120m前後の朝日山観音展望台からは大阪国際空港が見えず、高く上がった花火が見通せるのみです。
ほぼオープニング部分を動画でも。
京都府宇治市の朝日山観音展望台から大阪府吹田市の大観覧車オオサカホイール越しに兵庫県伊丹市の「いたみ花火大会」の打ち上げ花火を動画で撮影。
約3分30秒。音声無し。
まず分からないと思いますが、2分40秒頃から大阪国際空港発の飛行機が写っています。
画面の中央(花火の右)から小さな点が光跡を残しながら画面の右上に向かって上昇します。
先にも述べたように、朝日山からは空港そのものが見えず、飛び立つ飛行機が見えるのみ。
カラー・イルミネーションが変化する大観覧車の左手前でピカピカ点滅しているのが、ときどき話の種にしている高槻クリーンセンターの煙突です(→2019年にエネルギーセンターと改称)。
京都の多くの山の上から見える建造物で、大阪方面の方角や場所の目印となります。
朝日山や仏徳山(大吉山)は山系としては醍醐山地(比叡醍醐山地)の南西端にあたります。
「いたみ花火大会」を京都市から見通すのは難しく、計算上では醍醐山地以南の山の上からに限られます。
たとえば、私にとって馴染みがある京都東山の大文字山や稲荷山からは見えません。
今回は京都市ではなく宇治市から撮影していますが、朝日山や大吉山は標高100mそこそこの低所から「いたみ花火大会」を見通せる貴重な山です(より南にあたる城陽市の低所からも見えます)。
第36回いたみ花火大会と大観覧車オオサカホイールを朝日山観音展望台から遠望する。
撮影地点からエキスポシティの大観覧車オオサカホイールまで27.4km。
大吉山展望台から望むより大観覧車オオサカホイールは少し遠くなりますが、距離としては大差ありません。
日中とは異なり、少し空気が澄んだ夜であれば容易に見通せる、撮影できるでしょう。
花火大会の後半部分は場所を移して大吉山展望台から撮影しようと考え、開始から15分ほど経ったあたりで先客さんや朝日山観音展望台とお別れしました。
暗い夜の登山道であっても朝日山から大吉山まで10分も必要とせず、どう遅れてもフィナーレには十分に間に合うでしょう。
週末ということもあり、大吉山展望台こそ『響け!ユーフォニアム』ファンの方々が多く集まっていらっしゃるだろうと考えていたら、そちらは無人で拍子抜けします。
朝日山観音展望台と大吉山展望台の標高差はせいぜい20m程度にすぎず、打ち上げ花火の見え方は大差ないと思いきや、その僅かな標高差で興味深い違いが生じることが分かりました。
整理の都合で記事を分けます。
続きは上の記事に。
「朝日山観音展望台」と「朝日山展望台」の山名標。標高124m。
また別の日に撮影した写真です。日中の展望台の雰囲気が伝わるでしょうか。
ちょうど付け替えられる直前で、「朝日山展望台」を示す古い標と、「朝日山観音展望台」を示す新しい標が混在していました。
これまでは「朝日山展望台」でしたが、現地の状況から判断して、今後は「朝日山観音展望台」と称するようですので、本記事でもその表記に従います。
関連記事 宇治の展望台から伊丹の花火を観賞
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- 宇治 朝日山観音展望台の夜景 観覧車と花火大会を撮影 京都
- 大吉山展望台の夜景 兵庫伊丹の花火大会を京都宇治から遠望
朝日山(地理院 標準地図)
「朝日山(アサヒヤマ)(あさひやま)」
標高124m
京都府宇治市
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