大雪の佐和山遊園 金閣と瑞岳寺の五重塔 滋賀県彦根市 閉鎖

西日本や北日本を襲った猛烈な寒波も過ぎ去った昨日、2016年(平成28年)1月26日の話。
以前から、深く雪が積もったら訪れたいと考えていた場所がありましたが、これまでタイミングが合わず。
ようやく……、

雪化粧する金閣寺 佐和山遊園 滋賀県彦根市 2016年1月
白く雪化粧した金閣寺を拝観できました。感激です!

…いやいや、何十年に一度の大寒波と大雪を謳いながら、ただただ寒いだけで、京都はろくに雪も降らなかったやん、というか、そんな金閣寺は見たことがないわ!
と憤慨なさる方もいらっしゃるでしょう。

積雪する彦根・佐和山遊園 平成28年1月寒波の直後 2016年1月
彦根の佐和山遊園(さわやまゆうえん)。平成28年1月寒波で大雪が降った直後。

この手の「謎」パークやパラダイスが好きな方には有名なスポットですね。
「佐和山遊園」(佐和山美術館とも)は「佐和山三成会」さんが管理なさっていますが、実質的にお一人で運営なさっている(なさっていた)ようです。
園地内には原寸大とされる金閣、五重塔と、勝手に再現された石田三成居城の佐和山城などが建っており、いずれも個人の手により建築、増築されたと聞いて驚くばかり。
次々と敷地に新たな建造物が増えていますが、これでも「佐和山遊園」としては未完成だそうです。
昨年(2015年)の春頃までは入園料無料で自由に見物できました。

運営なさる方もお年だそうで、園地の維持も大変でしょう。
そのため、そろそろ休園、あるいは閉園なさるのではないかと見ていました。
その前に積雪する金閣やお城を撮影しておきたいと考えていましたが、なかなか機会がなく。
ようやく訪れることができましたが、残念ながら、すでに「危険・立入禁止」となっていました。

追記。
後日、知りましたが、この佐和山遊園を運営なさっていていた泉巌(いずみいわお)さんは、2013年(平成25年)に他界なさっていました。
そのため、2015年(平成27年)4月から「修復中の為、立ち入りを禁止」なさっているようです。
今回、掲載している写真は全て敷地の外から撮影しています。不法侵入は止めましょう。
泉巌さんの名前の読みについて、ネット上では「いずみ がん」とする記事が目立ちますが、「いずみ いわお」です。
追記終わり。

久々に追記。
2023年(令和5年)の末頃から、一部、佐和山遊園の解体作業が始まったようです。
追記終わり。

積雪する彦根駅東口 JR西日本・近江鉄道 2016年1月
積雪する彦根駅東口。JR西日本と近江鉄道の駅。

時間を遡り、彦根駅に降り立った直後に撮影した写真です。
前日の25日は彦根でも30cmほど雪が積もったそうで、私が訪れた26日のお昼頃でも十分すぎるほどに雪が残っていました。
この後、京都に戻る頃には空に雲が増えていたため、撮影した写真を見るまですっかり忘れていましたが、どうやら彦根に着いた頃は青空が広がっていたようです。
日中の彦根はとくに寒さは感じず、風も弱かったこともあり、むしろ山では暑いと感じるくらいでした。
実のところ、前から雪が降ったら彦根に行くと言っていたので有言実行、空いた時間に急いで出向いたしだい。
彦根に滞在していたのは僅かな時間でしたが、その間にも雪掻きや雪解けは進み、午後には道が歩きやすくなっていました。

彦根駅構内の窓越しに佐和山山麓の金閣が目立って見えます。
有名な彦根城や琵琶湖方面は西口から、佐和山方面は東口から向かいます。
大きな通りを分かりやすく佐和山遊園へ向かうのであれば、まず、彦根駅東口駅前広場から北東に延びる道を道なりに進み、県道彦根駅東口の交差点へ。
滋賀県道518号彦根城線と並走する下道を0.18kmほど北西に進み、次いで東の正面に金閣を見ながら寄っていけば、国道8号との合流地点の手前で佐和山遊園の別館に着きます。
雪が無ければ駅から徒歩10分未満の道のり。

雪の瑞岳寺・五重塔と瑞岳寺・金閣 彦根・佐和山遊園 2016年1月
雪の瑞岳寺・五重塔と瑞岳寺・金閣。彦根・佐和山遊園。

瑞岳寺は石田三成が建立したと伝わる寺院で、それを再現したもの、とされています。
もっとも、瑞岳寺に絢爛な金閣や五重塔が実際に建っていたかは疑問が残るところです。
また、この金閣は「原寸サイズ」とされていますが、「原寸」とは鹿苑寺金閣を指しているのでしょうか。

私と同じこと、つまり、雪の金閣を撮影しようと考える方もいらっしゃるだろうと予想していましたが、あたりの雪上には踏み跡ひとつなく。
入園できない敷地には穢れのない新雪が広がっていました。

雪の佐和山城と城門 彦根・佐和山遊園 「立入禁止」休園中 2016年1月
雪の佐和山城と城門。彦根・佐和山遊園。「立入禁止」休園中。
左手前に城門が、その後方にお城が見えますが、門は堅く閉ざされており、残念ながら入園できません。

この佐和山遊園の北、国道8号を跨いだ反対側には佐和山が所在します。
佐和山は石田三成ゆかりの地で、その山頂には三成の居城である「本来の」佐和山城が建っていました。
国道8号を渡り、佐和山の山麓へ寄ってみると、「佐和山城跡」の案内看板が。

佐和山城跡「東山ハイキングコース Cコース」案内看板 2016年1月
佐和山城跡「東山ハイキングコース Cコース」案内看板。

国道8号沿い、佐和山の南麓には確かにハイキングコースの案内がありますが、この少し先には「このルートからは入山禁止」の立て看板が。
地理院地図では破線路の扱いですが、このコースから登って欲しくないニュアンスの言葉が並んでいます。
「このコースが禁止なら、他のコースはどうなのか」「立派な案内看板には登山禁止と書かれていないのはなぜか」といったことが妙に気になってしまいます。
写真に写るハイキングコースの案内看板を立てた方と、「このルートからは入山禁止」の看板を立てた方は別のようです。

この後、佐和山の向こうにあたる鳥居本へ向かい、久々に鈴鹿山脈北西端部の低山を軽くスノーハイクするか、あるいは近江・琵琶湖の景勝地として知られる摺針峠・望湖堂の雪景色を撮影する予定でした。
ところが、立て看板の含みある物言いを見て気が変わり、予定を変更して佐和山と佐和山城跡(山頂の碑では「佐和山城趾」の表記)を目指すことに……。
先に結論から書いておくと、佐和山をグループハイクする場合は入山許可を受ける必要があります。

整理の都合で記事を分けます。

積雪する彦根・佐和山の山頂 「佐和山城趾」碑越しに伊吹山を望む 2016年1月

積雪した佐和山を登山 大雪の彦根と伊吹山を一望 龍潭寺と東山

2016.01.29

の記事に続きます。

関連記事 2016年1月 雪の彦根・城めぐり

佐和山遊園(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「佐和山遊園」周辺の地図を表示
「佐和山遊園(サワヤマユウエン)(さわやまゆうえん)」
滋賀県彦根市

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!