今回の記事は補完のようなもので、大した内容ではありません。
もっとも、当ウェブサイトに大した内容の記事は存在しないので、普段どおりとも言えるでしょう。
上の記事で「比叡山や愛宕山からは三峰山まで遠望でき、過去に何度も撮影しています」と述べました。
改めて調べてみると、比叡山や摩耶山から三峰山を撮影した写真は過去に何度か掲載していますが、愛宕山からの撮影例を掲載していないことに気付きます。
それどころか、当ウェブサイトを今の形式で広く公開してから、実は一度も愛宕山の展望について触れたことがなく。
病前ほど登らなくなったとはいえ、千日詣りの夜を含め、今でも年に5~6日程度は愛宕山を歩いていますが、なかなか記録として残せていません。
とりあえず、2012年(平成24年)1月に愛宕山の三角点峰から撮影した写真を下に掲載しておきます。
登拝者やハイカーの方々にとっては今さら申し上げるまでもない話でしょうが、いちおう。
愛宕山はいわゆる山頂(最高峰)と三角点が異なる地点に所在する山で、愛宕神社さんが鎮座なさるため、山頂の付近からは展望も期待できません。
ですが、三角点が設置される山や、各所の展望地など、見晴らしの良い地点が山中に点在しています。
けっして、「愛宕山は展望が無い山」ではありません。
愛宕山の三角点峰から高見山地や北部台高を遠望する。京都市右京区。
京都盆地の向こうに山城南部、室生山地(室生火山群)、高見山地、台高山脈の山々を望んでいます。
上の写真のように、左奥にあたる高見山地の東西の主稜線と、その手前の室生山地や曽爾高原の山々が明確に分離して見える日はきわめて稀です。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
局ヶ岳 | 92.2km | 1028.7m | 三重県松阪市 | |
尼ヶ岳 | 77.6km | 957.4m | 三重県津市 三重県伊賀市 | 伊賀富士 |
大洞山 (大洞山 雄岳) | 78.8m | 1013m | 三重県津市 | |
栗ノ木岳 | 89.6km | 1066m | 三重県松阪市 三重県津市 | |
修験業山 | 88.7km | 1093.6m | 三重県松阪市 三重県津市 | |
倶留尊山 | 76.8km | 1037.3m | 奈良県宇陀郡曽爾村 三重県津市 | 室生山地最高峰 |
二本ボソ | 77.0km | 996m | 奈良県宇陀郡曽爾村 三重県津市 | |
涸谷山 | 87.3km | 1148m | 三重県松阪市 三重県津市 | |
平倉峰 | 86.5km | 1220m | 三重県松阪市 三重県津市 | 標高の値は 10mDEMによる |
三峰山 | 86.0km | 1235.2m | 三重県松阪市 三重県津市 奈良県宇陀郡御杖村 | |
登り尾峰 | 84.8km | 1102m | 奈良県宇陀郡御杖村 三重県松阪市 | |
国見山 | 73.8km | 1016m | 奈良県宇陀郡曽爾村 奈良県宇陀市 | |
住塚山 | 74.1km | 1009.2m | 奈良県宇陀郡曽爾村 奈良県宇陀市 | |
迷岳 | 95.0km | 1308.7m | 三重県松阪市 三重県多気郡大台町 | |
大熊谷の頭 | 94.8km | 1190m | 三重県松阪市 三重県多気郡大台町 | |
白倉山 | 96.4km | 1236m | 三重県多気郡大台町 三重県松阪市 | |
高見山 | 81.8km | 1248.4m | 奈良県吉野郡東吉野村 三重県松阪市 | 高見山地最高峰 |
桧塚 | 89.2km | 1402.2m | 三重県松阪市 | |
桧塚奥峰 | 89.1km | 1422m | 三重県松阪市 | 標高の値は 10mDEMによる |
水無山 | 87.5km | 1431m | 三重県松阪市 奈良県吉野郡東吉野村 | 標高の値は 10mDEMによる |
明神岳 (穂高明神) | 88.6km | 1432m | 三重県松阪市 奈良県吉野郡川上村 | |
薊岳 | 87.4km | 1406m | 奈良県吉野郡東吉野村 奈良県吉野郡川上村 | |
空鉢峰 (鷲峰山) | 36.0km | 682m | 京都府相楽郡和束町 |
眼下には京都盆地を俯瞰、うねる桂川の流れは分かりやすいでしょう。
宇治川や木津川もわずかに川の水面が見えていますが、こちらはやや分かりにくいでしょうか。
中央に広がる巨椋池跡(巨椋池干拓地)、その向こうには城陽市や山城南部、そして奈良の北端。
写真では左奥に見えている(局ヶ岳~)栗ノ木岳~修験業山~涸谷山~平倉峰~三峰山~登り尾峰~高見山の連なりが高見山地の主稜線です。
その鋭い山姿から「伊勢の槍ヶ岳」とも称される局ヶ岳は、愛宕山三角点から望む場合、「伊賀富士」尼ヶ岳の後方となるため、やや分かりにくいです。
写真の表示のみ、「尼ヶ岳」ではなく「尼ケ岳」の表記を採用していますが、これは地理院地図に従ったにすぎず、大した意味はありません。
中勢の山では「尼ケ岳」「局ヶ岳」「経が峰」など、地理院地図において、山名における格助詞「が」の表記、使い分けはさまざまです。
冬場を除き、愛宕山から三峰山まで明瞭に見える日はそれなりに貴重で、昨年、つまり2014年(平成26年)9月、爽やかな秋晴れの日にも愛宕山を訪れましたが、その日でも高見山地は肉眼では見えないに等しく。
もっとも、その日は大文字山など京都東山の山々は浮かび上がるように見えていたものの、より遠くの鈴鹿山脈や布引山地は霞んだ見え方にすぎず、そこまで好条件の日でもなかったのでしょう。
高見山より右に見えるのは桧塚奥峰や水無山など北部台高、明神平の山々。
その奥には台高山脈の主稜線を池木屋山から東に岐れた支脈にあたる白倉山や迷岳の周辺峰。
写真では見切れていますが、さらに右手、日出ヶ岳(大台ヶ原山)については、木立に遮られる、あるいは愛宕山の陰となるため、現状、三角点の鉄塔横の広場からはぎりぎり見える程度です。
俗に「京見岩」などと呼ばれる月輪寺分岐の展望地からであれば、大台ヶ原や大峰山脈、それに金剛山や生駒山も遠望できます。
ただし、そちらの展望地は東向きに対して不利があり、また、視界そのものも、年々、狭くなる一方という印象を受けます。
比叡山から三峰山を撮影した写真は上の記事に。比較用に。
摩耶山から三峰山を撮影した写真は上の記事に。同じく比較用に。
愛宕山(や隣接する地蔵山、竜ヶ岳)は同じ展望地から全方位を見渡すことができず、見たい対象に応じて展望地を変える必要があります。
こと京都盆地南部や高見山地方面を見晴らすのであれば、現状では三角点峰がお勧めですが、「京見岩」と呼ばれる展望地でも大差ありません。
三角点の下、鉄塔横の広場のベンチ付近の標高が約880m前後、「京見岩」の標高が約865m前後です。
このわずかな標高の差と、南北の緯度の差から、見える山が微妙に異なるのが興味深く。
愛宕山から見える山ついて、気が向いたら続きを書くかもしれません。
続きは上の記事に。
愛宕山からは比叡山から見えない、ある山を見通せます。
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愛宕山 三角点峰(地理院 標準地図)
「愛宕山(アタゴヤマ、アタゴサン)(あたごやま、あたごさん)」最高峰 標高924m 三角点峰 標高889.8m(890.1mから改定)(三等三角点「愛宕」)
京都府京都市右京区(山域は京都府亀岡市に跨る)
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