このところ、記事の冒頭が同じようなくだりばかりですが、年始の京都を覆った大雪。
京都市(の観測施設)では61年ぶりに20cmを超える積雪を記録した2015年(平成27年)1月3日の話です。
この日は朝から所用があり、やや出遅れ気味で嵯峨嵐山へ。
古都の雪景色を楽しむ観光客の方々を横目に、混雑を避けるため、急いで渡月橋から桂川(大堰川、保津川)の上流へ入ります。
このあたりは「嵐山公園 亀山地区」にあたりますが、俗に「亀山公園」とも呼ばれています。
桂川(大堰川)の上流、左岸から雪積もる嵐山、渡月橋、屋形船を望む。
渡月橋は左端ですが、暗くて分かりにくいでしょうか。
その遠方に見えている目立つ山は音羽山です。
大堰川から亀山に取り付きます。亀山の標高は93m。
登り口にあたる大堰川左岸の標高が約45m前後ですので、大した比高ではありません。
階段続きですが、どなたでも登ることができる山です。
しかしながら、この日は雪が深く、上の休憩所(~児童公園)では脛あたりまで積もっており、軽い気持ちで登っていらした方の中には、ひどく足元を濡らした方もいらっしゃるでしょう。
亀山の展望台から雪積もる保津川、大悲閣を望む。京都市右京区。
亀山の山頂付近に所在する展望台からの眺め。
眼下に保津川や屋形船(遊覧船)が、そして、保津川の対岸、山上には大悲閣(千光寺さん)が見えています。
外国人さんも含め、展望台まで登っていらっしゃる方はちらほら程度。
亀山公園の展望台から眼下に保津川、屋根に雪が積もる屋形船(遊覧船)を望む。
亀山公園の展望台は、保津峡を走るトロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)の展望、撮影スポットとして知られています。
あいにく、トロッコ列車は冬期休業中で、待てども待てども下を通ることはありません。
もし、運行期間であれば、写真では右端から奥にかけて走る姿を眺めることができたでしょう。
行き交う屋形船が3隻、写真に写っていますが、それぞれの場所がお分かりでしょうか。
左の1隻は渡し船で、船着場に泊まっています。
この船着場の奥に見える崖上は「舟曳道」(船曳道)としてハイカーやトレッカーの間では馴染みがあるコースです。
ただし、積雪時は通行困難となるでしょう。
船着場の付近に見えるリバーサイドビューな旅館は「星のや 京都」さん。
かつては「嵐峡館」として、嵐山でもとくに有名な旅館でしたが、2007年(平成19年)2月で閉館しました。
個人的に、保津川の峡谷美を端的に表した「嵐峡」という呼称が好きでした。
亀山公園の最奥から小倉山へ入ります。
亀山まではどなたでも散歩として登ることができますが、小倉山は軽い山歩きとなります。
下山時、その小倉山から亀山へ戻ったあたりでおサルさんを数多く見ました。
小倉山の山中でもちらほら見掛けましたが、亀山の奥で見たおサルさんは大柄で、人を恐れる気配がありません。
岩田山にかぎらず、嵐山の山々にはおサルさんが多く、迂闊に近付くと何をされるか分かりません。
遠目に観察していると、おサルさんも山の上から眼下の京都の街並みや川の流れを眺めている(ように見える)のが面白いです。
亀山(嵐山公園 亀山地区)のおサルさん。ちらっ。
これは小倉山からの下山時に撮影しており、午後になり気温が上昇したことから、急速に雪解けが進んでいます。
亀山(嵐山公園 亀山地区)のおサルさん。食事中。
びちょびちょになった地面で足を濡らすのを嫌がっているようで、足の裏を合わせ、柵の上に器用に腰掛けています。
冬場は餌が限られていますが、野生の彼ら彼女らに餌を与えてはなりません。
上の2枚では単体しか写っていませんが、もちろん、この時点で私はおサルさんの群れに囲まれていました。
しかしながら、余計な体力を使いたくないのか、私のことなど相手にしません。
雪の中のニホンザルたち。
意識が上に向いています。鳥さんでしょうか。
さておき、亀山から小倉山へ。
一昨年まで、小倉山から遠くの山々まで見渡すためには中腹の展望地まで登る必要がありましたが、「小倉山再生プロジェクト」により伐採や整備が進み、展望地に限らず、今や道中の見晴らしもなかなかのもの。
すっかり気持ちの良いハイキングコースとなりました。
早くも少し樹が伸びていますが、コース上からは沢山の周辺峰や比叡山が見えやすいです。
京都市:小倉山再生プロジェクト~アカマツ林の再生に向けた植樹活動~を実施しました!
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000163375.html
昨年、2014年(平成26年)3月、偶然にも植樹活動の後に小倉山を登り、まるで別物のような山となった小倉山を見て驚いたものです。
3月としては空気が澄んだ好条件の日でしたが、まさにそれも偶然、ある事件(小倉山の山麓の民家からダイ○マイトが発見され、避難騒ぎが起きる)が起き、そのこともあって記録として残すのを先延ばしとしたままです。
もっとも、京都を一望しようとするのであれば、やはり中腹の展望地まで登るのが良いでしょう。
この日、展望地ではどなたともお会いすることはなく、貸し切りで雪景色を楽しむことができました。
61年ぶりの大雪となった京都を小倉山から一望する。京都市右京区。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
大文字山 | 13.4km | 465.3m | 京都府京都市左京区 |
阿星山 | 36.6km | 693.0m | 滋賀県湖南市 滋賀県栗東市 |
音羽山 | 17.8km | 593.1m | 京都府京都市山科区 (滋賀県大津市) |
西千頭岳 (千頭岳三角点峰) | 19.0km | 601.8m | 京都府京都市伏見区 |
本宮ノ峰 (奥醍醐山) | 19.0km | 476.0m | 京都府京都市伏見区 |
空鉢峰 (鷲峰山) | 30.6km | 682m | 京都府相楽郡和束町 |
左奥に大文字山、右奥に鷲峰山、右手前に渡月橋を収めています。
大文字山の「大」の火床、いわば「雪の大文字」も写っていますが、広角では分かりにくいですね。
小倉山から雪積もる嵐山公園、天龍寺さん、桂川、渡月橋を眼下に望む。
右端に渡月橋と中之島(嵐山公園 中之島地区)。
手前から左手前にかけて天龍寺さんが写っています。
桂川の堤防や河川敷、それに嵐山東公園も真っ白に雪化粧していますね。
日が差しているため、2日に大文字山から撮影した写真と異なり、明るく感じます。
整理の都合で記事を分けます。
続きは上の記事で。
追記。
本記事の本文で仄めかした「2014年(平成26年)3月、偶然にも植樹活動の後に小倉山を登った」話は上の記事に。
追記終わり。
久々に追記。
京都府警によると、2020年(令和2年)11月17日の夜、京都市右京区嵯峨亀ノ尾町の河川敷にツキノワグマが出没したとのこと。
嵯峨亀ノ尾町の河川敷は、渡月橋の上流、亀山公園(嵐山公園 亀山地区)の山麓域にあたり、まさに本記事で取り上げています。
以前より愛宕山の山中でも熊の目撃例が相次いでいましたが、いよいよ保津川(大堰川・桂川)まで下りてきたようですね。
追記終わり。
関連記事 2015年1月3日 小倉山スノーハイキング
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- 雪の嵐山公園 亀山から渡月橋を望む 61年ぶりの大雪 京都
- 白い大文字を雪の小倉山から望む 『見た京物語』の大文字山
- 大雪の小倉山から京都の雪景色、伏見桃山城を望む 嵯峨嵐山
小倉山(地理院 標準地図)
「小倉山(オグラヤマ)(おぐらやま)」標高296m
京都府京都市右京区
便宜上、当ウェブサイトでは桂川左岸(右京区以北)を「京都北山」、右岸(西京区以南)を「京都西山」と定義しているため、愛宕山や小倉山は「京都北山」に区分しています。
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