比叡山から解体進む大観覧車イーゴス108を撮影 Sun Wheel

2013年(平成25年)11月、京都の山々では紅葉が進む時期。
この日は滋賀県大津市と京都市左京区の境に所在する比叡山をハイキング。
標高が高い地点ではすでに落葉が進んでいましたが、コースによっては紅葉や黄葉が見頃でした。
今年に限った話ではありませんが、台風などの影響で早めに葉を落とした木も多そうです。

…などと冒頭に記しつつ、今回の記事には紅葉の写真はありません。

比叡山から「イーゴス108」最後の姿を望む

比叡山から解体された「イーゴス108」、琵琶湖、沖島を望む 2013年11月

比叡山から解体された大観覧車「イーゴス108」、琵琶湖、沖島を望む。
写真には「解体された」と記していますが、厳密にはまだ脚部が残っています。

堅田のびわ湖タワー(遊園地)跡地に残されていた「イーゴス108」ですが、ついに解体が決まり、ベトナムへ送られることが決まりました。
私の記録によると、まず、2013年(平成25年)9月に観覧車のゴンドラが外され、10月上旬には大型クレーン車が入り、本格的な解体作業が始まりました。
やがて、上部の支柱、骨組み(フレーム)と解体が進み、そして、ついには脚部を残すのみに。

私自身は稼働中の「イーゴス108」に乗ったことはないものの、比叡山から目立って見えていたため、気になる存在ではありました。
もう山の上から眺めることができないのかと考えると寂しいかぎりです。

比叡山から琵琶湖を望む

比叡山から琵琶湖、近江大橋、布引山地などを望む 2013年11月

比叡山から琵琶湖、近江大橋、遠くに鈴鹿山脈、布引山地などを望む。
撮影地点から経が峰(経ヶ峰)(三重県津市)まで59.7km。

なだらかな布引山地の山々、ピークの特定は困難です。
とくに空気が澄んだ日であれば、双眼鏡などを使用して青山高原の風車を望むこともできます。
上の構図だと笠取山と示している山の右手が青山高原の一帯で、比叡山からでもなだらかさが伝わります。

ススキ広がる比叡山から京都方面を望む

ススキ広がる比叡山から岩倉盆地、愛宕山を望む 2013年11月

ススキ広がる比叡山から眼下に岩倉盆地、遠くに愛宕山などを望む。

高祖谷駅跡の下、と申し上げてもなかなか分かりにくいでしょうか。
混雑しているであろう延暦寺さん側と異なり、こちらは静かなものです。
昔と比べると随分とススキ原が広がっており、通行が困難になりつつあります。

整理の都合で記事を分けます。

比叡山 斧堂跡から京都北山、皆子山、大原の里を望む 2013年11月

高祖谷駅跡(比叡山空中ケーブル)、斧堂跡の紅葉 西山559m

2013.11.27

上の記事に続きます。

追記

「イーゴス108」の珍しい撮影例

「イーゴス108」を写した写真を掲載している過去の記事は以下に。

比叡山から御嶽山、伊吹山、琵琶湖、沖島、大観覧車「イーゴス108」を望む 2012年11月

比叡山から御嶽山(木曽御嶽)、琵琶湖、大観覧車を遠望

2012.12.01

御嶽山(木曽御嶽)、伊吹山と「イーゴス108」の写真有り。
観覧車と御嶽山を同じ構図に収めた遠景写真。
自分で申し上げるのもなんですが、これは貴重な1枚となりました。

比叡山 四明岳から白山、伊吹山、近江美濃国境の山々、琵琶湖を望む 2012年11月

比叡山から白山(加賀白山)、伊吹山、比良山地を一望する

2012.12.10

白山(加賀白山)、湖北の山々と「イーゴス108」の写真有り。

阿星山、油日岳の向こうから登る初日の出を比叡山から望む

ご来光ハイク 比叡山から初日の出を望む 2013年1月1日

2013.01.01

元日の未明、琵琶湖大橋と「イーゴス108」の夜景の写真有り。

比叡山から琵琶湖の向こうに伊吹山地、湖北の山々を望む 2013年9月

秋晴れの比叡山 琵琶湖を一望 鈴鹿山脈の南端はどこ?

2013.09.29

伊吹山、琵琶湖と「イーゴス108」の写真有り。
すでにゴンドラは外されていますが、支柱や骨組み(フレーム)は残っています。
大型クレーン車が入る前です。

さようなら、「イーゴス108」さん。異国でもお元気で。

その後の「イーゴス108」と”SUN WHEEL” の行方

Sun Wheel
https://sunworld.vn/en/da-nang-downtown/entertainment-da-nang-downtown/sun-wheel (リンク切れ)

日本を去った「イーゴス108」は、2014年7月より、ベトナムはダナン市の”Sun World Danang Wonder (Asia Park)”(アジアパーク)で、”Sun Wheel”(サンホイール)として親しまれています。
上は公式サイトのリンクです。

2024年6月より、アジアパークは”Da Nang Downtown”(ダナン・ダウンタウン)となりました。
公式サイトのリンクも変更しておきます。
「イーゴス108」の地上高は公称108mでしたが、”Sun Wheel” の高さは115mとなってますね。
これは台座部分を再構築したことによります。

2025年6月26日頃に上記リンク先のページ(や、ダナン・ダウンタウンに関連するページ)が公式サイトから消失しました。
事情は分かりかねますが、しばらく様子見。

“Da Nang Downtown” は閉業するらしい。

“Da Nang Downtown” は2025年9月2日頃に営業終了。
公式SNSには”DA NANG DOWNTOWN TEMPORARILY CLOSED”(ダナン・ダウンタウンは一時閉鎖中)とあるので、改装でしょうか。
”Sun Wheel” は”Da Nang Downtown” の跡地に残されています。

それはそれとして、”Sun Wheel” を称する観覧車が”Sun World Ha Long”(ハロンパーク)で稼働しており、ハロン市のランドマークとして親しまれているようです。
どうやら、”Sun Wheel” はベトナムに2台ある?
私は現地の方が発信なさった記事を適当に翻訳しながら調べているだけですので、日本からではなかなか分かりにくい。

Sun World Ha Long
https://halong.sunworld.vn/en

Sun Wheel – Sun World Ha Long
https://halong.sunworld.vn/en/experience/sun-wheel

(地上高ではなく)海抜215mを公称していますが、これは小高い山(丘)の上に設置されているためで、高さとしては「イーゴス108」と大差なさそうです。
64のキャビン数、最大で384人が乗車可能という数字は、「イーゴス108」を移した”Da Nang Downtown” の”Sun Wheel” とまったく同じなうえ、外観も似ていますね。
公式サイトの記事を読むかぎり、”Sun World Ha Long” の”Sun Wheel” は、サノヤス・ヒシノ明昌(サノヤス・ライド)製の大観覧車らしい。
同じメーカが設計・製造なさった、かつて、お台場にあったパレットタウン大観覧車ともよく似ています。
“Sun World Ha Long” の”Sun Wheel” は、仙台ハイランド遊園地にあった大観覧車「アポロ」を移したものとする記事もありますが、「アポロ」は岡本製作所が製造なさったので、なにかしらの混同が見られます。
調べていて分かりましたが、どのメーカさんに限らず、高さ100m級の観覧車は「定員6人×ゴンドラ64台」となりやすい。

関連記事 2013年11月 さようなら「イーゴス108」

大比叡(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大比叡」周辺の地図を表示

「大比叡(ダイヒエイ、オオビエ、オオヒエ)(だいひえい、おおびえ、おおひえ)」
標高848.0m(一等三角点「比叡山」)
滋賀県大津市、京都市左京区

「四明岳(シメイガタケ)(しめいがたけ)」
標高838m
京都市左京区

お知らせ
本記事における三角点の標高値は、国土地理院により2025年(令和7年)4月1日に実施された「令和7年度 全国の標高成果の改定」(「測地成果2024」に改定)に対応しています。

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!