2013年8月の話。
今年の夏はもやっとした空模様の日が続いていましたが、お盆も過ぎ、ようやく空気が澄む気配があったため、この日は比良山地に属する蓬莱山をハイキング。
打見山と合わせ、蓬莱山は「びわ湖バレイ」の山としても知られています。
順番が後先していますが、これは、
上の記事で私が摩耶山を登った日より、おおよそ1週間ほど前の話です。
念のため。
この日のお昼頃、比良の標高が高い地点では雨が降っていたようですが、私が山の上に着く頃には雨も止んでいました。
遮るものがない夏のゲレンデはただただ暑く、蓬莱山の山頂までリフトを利用して移動しなかったことを後悔します。
熱中症でしょうか、山頂の手前でひどく疲れてしまい、シカのフンを避け、広がる草原に座り込み、眼下の琵琶湖を眺めながらひと休み。
ようやくの登頂後、遠くの大阪方面を眺めてみると、予想どおりの好条件、ハルカスさんはもちろん、遠く和泉山脈の山々まで見えています。
目次
滋賀県大津市 蓬莱山からの展望、眺望
蓬莱山は比良山地でも南部にあたる山域(南比良)の主峰であり、その山頂からは360度の展望を誇ります。
あべのハルカス、京都タワーを遠望
蓬莱山から京都タワー、あべのハルカス、遠くに和泉山脈を望む。
撮影地点から三峯山(和歌山県紀の川市、大阪府泉佐野市)まで108.6km。
日本一高いビルの「あべのハルカス」(大阪府大阪市阿倍野区)まで71.1km。
京都タワー(京都府京都市下京区)まで27.2km。
京都盆地と大阪平野、それに「あべのハルカス」、遠くには和泉山脈の連なり、条件よく見えています。
ぎりぎり写っていませんが、この写真の左手には和泉葛城山が連なっています。
大文字山からだとせいぜい6km未満の距離にすぎない京都タワーも、蓬莱山からだと27kmも離れており、さすがに細い針のような見え方です。
「びわ湖バレイ」さん 、夏場はちょっとした避暑地、冬場はスキー場。
この日も山の上は観光客さんやハイカーさんでぼちぼちにぎわっていました。
私が撮影の準備を始めると、リフトの係員さんが寄っていらして、「まもなくリフトの営業が終わりますが……」と。
あたりを見渡してみると、私や係員さんを除き、山頂にはすでに誰もいません。
「歩いて戻りますので結構です。ありがとうございます」とお答えし、貸し切りとなった蓬莱山の上から撮影を続けます。
あべのハルカスに対する遠望について
蓬莱山から大阪の「あべのハルカス」、遠くに紀泉アルプスの山々を望む。
撮影地点から和歌山市最高峰の雲山峰(和歌山県和歌山市)まで117.0km。
りんくうゲートタワービル(大阪府泉佐野市)まで103.5km。
うっすら曖昧ですが、100km以上先に所在する超高層ビル「りんくうゲートタワービル」(→SiSりんくうタワー)も写ってますね。
「あべのハルカス」については、淡路島南部寄りの柏原山から望むより、比良山地に属する打見山や蓬莱山から望むほうが僅かに遠く、同じ比良山地に属する武奈ヶ岳から望むよりは近くなるものの、おおむね全景が見える山としては遠くに所在します。
滋賀県最高峰の伊吹山や、滋賀県で2番目に高い山である金糞岳の周辺(白倉岳)、それに、鈴鹿山脈に属する霊仙山や御池岳(ボタンブチ)、藤原岳、御在所岳の周辺(鎌ヶ岳、雨乞岳)などの山々からでもハルカスさんを見通せますが、その全景を望むことはできません。
また、ドライブウェイによるアクセスが容易な伊吹山の現地まで足を運んでいただければお分かりいただけると思いますが、近江盆地、琵琶湖を越え、さらにその先の平地まで見通すのはなかなか難しいものがあります。
伊吹山から「あべのハルカス」までの距離は118.2km。
この距離、実は、蓬莱山から雲山峰までの距離と同等で、上の写真では雲山峰が明瞭に写っていることから、それなら伊吹山からでも……、となりそうですが、そううまくはいきません。
同様に、四国は徳島県最高峰の剣山、高知県最高峰の三嶺など、剣山地に属する山や、香川県最高峰の竜王山、第2位峰の大川山など、讃岐山脈(阿讃山脈)に属する山からも、(あくまでも計算上は、)海の向こうに「あべのハルカス」を見通せますが、こちらは淡路島、大阪湾を越える必要があるため、さらに困難をきわめるでしょう。
参考までに、剣山から「あべのハルカス」までの距離は157.6kmです。
これら、伊吹山や四国から「あべのハルカス」を望むことについては、過去に何度か他所で述べたことのおさらいのようなものですが、「あべのハルカス 四国」 や 「あべのハルカス 遠く」 などの検索結果を経由して当ウェブサイトへいらっしゃる方が後を絶たないこともあり、改めてこちらでも述べておきます。
この日の蓬莱山からは、その伊吹山や金糞岳も見えていましたが、どうにももやもやした感じで、空の色と区別が付きづらく、写りも今ひとつ。
この日、比良山地の高い山の上では雨が降ったことからも、奥美濃や湖北、それに鈴鹿山脈でも雨が降っていた可能性があります。
撮影した他の写真を見ても、鈴鹿の山々の上には雲が出ている印象を受けます。
その程度の見え方では、当然ながら遠く白山(加賀白山)を望むべくもなく。
ただ、金糞岳との間、琵琶湖に浮かぶ竹生島ははっきり見えていました。
紀泉アルプス、コスモタワー、大阪湾 方面
蓬莱山からコスモタワー、紀泉アルプス、和泉山脈西端部の山々を望む。
撮影地点から大阪府咲洲庁舎(コスモタワー)(大阪府大阪市住之江区)まで76.6km。
和泉山脈西端の高森山(和歌山県和歌山市、大阪府泉南郡岬町)まで124.3km。
手前の街並みは京都市内(京都盆地)の北部~西部寄りの地域です。
「あべのハルカス」から視点を右に動かすとコスモタワーも見えていました。
上の写真ではきわめて分かりにくいですが、コスモタワーと俎石山や高森山との間には大阪湾が広がっています。
写真のさらに右手、紀淡海峡には友ヶ島が浮かんでいるはずですが、ちょうど、ポンポン山に遮られる形となり、蓬莱山から望むことはできません。
比叡山や大文字山からであれば友ヶ島まで望むことができます。
さらに視点を右に動かしていき、京都西山、北摂の山々の向こうを見てみると、そこにはなにやら山の影が……。
これは、あの島では!?
整理の都合で記事を分けます。
続きは上の記事に。
関連記事 2013年8月 「びわ湖バレイ」の風景
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- びわ湖バレイ 蓬莱山から「あべのハルカス」を望む
- 比良山地から淡路島を遠望 びわ湖バレイ 蓬莱山
蓬莱山(地理院 標準地図)
「蓬莱山(ホウライサン)(ほうらいさん)」標高1173.9m(一等三角点「比良ヶ岳」)
「打見山(ウチミヤマ)(うちみやま)」
標高1108m
滋賀県大津市
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