2013年(平成25年)2月の話。
この日はAさんと京都北山(丹波高地)に属する滝谷山をスノーハイキング。
起点とした花脊峠(花背峠)と山頂の比高が150m足らずの山行に過ぎませんが、雪が積もる時期になんの準備もなく登頂できるほどの山ではありません。
いかにも北山らしい緩く沈みやすい雪質は、登りに手間取る今の私にとって、やや重いものがありました。
病後でリハビリ中の身、無理や油断は禁物です。
除雪された花脊峠(花背峠)。京都市左京区の鞍馬と花脊を分ける峠です。
京都バスを利用し、私たちが花脊峠に着いたのはお昼前。
到着時、峠上の温度計は2℃の値を示していましたが、準備している間に3℃まで上昇。
風も弱く、とくに寒さは感じない一日でした。
まずは、杉ノ峠を目指しましょう。
とくに無雪期であれば、花脊峠から杉ノ峠の間は林道歩きではなく、花脊峠から尾根に取り付き、尾根歩きで杉ノ峠を目指すのがお勧めです。
このコースは取り付きがやや分かりにくいですが、花脊峠から少し杉ノ峠方面に進み、そこから強引に左手の斜面を登ります。
稜線の上に乗れば、あとは尾根伝いに(無雪期なら)踏み跡を辿っていけば、やがて紅白の鉄塔(元・NTT鞍馬無線中継所)が眼前に迫り、杉ノ峠の上付近に出ますので、そこで林道へ下れば合流できます。
ただし、積雪期などは無理をする必要もなく、林道でも十分に雪上歩きを楽しめるでしょう。
杉ノ峠の作業所付近からの眺め。琵琶湖が見えています。
深く積もった雪の上にはウサギさんの足跡のみ。
空気が澄んで遠くまで見えやすい日であれば、杉ノ峠の少し東側の「びわ湖展望地」から、御池岳や雨乞岳といった鈴鹿山脈の山々まで見晴らせますが、この日の空模様では望むべくもなく。
琵琶湖もうっすらした見え方に過ぎませんが、作業所の付近からナッチョ(天ヶ森)の左手に蓬莱山が見えていました。
この日はお昼過ぎまでは晴れてはいたものの、もやもやして遠くは見えにくく、その後、下山時には高曇りとなり、空の色も薄くなる一方に。
元・NTT鞍馬無線中継所(警察庁鞍馬無線中継所)の分岐(いちおう立入禁止)や、「びわ湖展望地」の分岐を右手に見送りながら、続いて和佐谷峠へ向かいます。
「びわ湖展望地」の分岐の付近、林道の反対側には「杉ノ峠」を示す標もありますが、どうやら見落とす方が多いようです。
和佐谷峠から百井キャンプ場・滝谷山の分岐へ。京都北山の雪景色。
このあたりの雪の深さ、カンジキのAさんが踏み込んで膝のあたり、スノーシューの私が踏み込んで膝下あたりといった感じでした。
先にも書きましたが、なかなか沈みやすく。
ここから滝谷山の山頂近くまで直登します。上を見上げてみると……。
雪積もる滝谷山(別所山)の山頂。標高876.2m(→875.9m)。京都市左京区。
滝谷山は別所集落(花脊別所町)の裏山でもあり、三角点の点名「別所村」から「別所山」とも呼ばれます。
本記事の初稿公開時、二等三角点「別所村」の標高成果は876.2mでしたが、翌2014年(平成26年)4月に876.0mと改定され、2025年(令和7年)4月に875.9mと改定されました。
滝谷山の山頂からは木々の合間に比良山地最高峰の武奈ヶ岳、京都府最高峰の皆子山が並んで見えます。
さらに、その右手には少し離れて「びわ湖バレイ」の蓬莱山が見えていましたが、どうあっても木立に遮られてしまうため、写真は撮影していません。
他の方が登っていらっしゃる気配はなく、山頂は貸し切りでしたが、時間の都合もあり、少し休んだ後、下山を開始します。
下りは踏み跡ひとつ無い西尾根から。
夏道は見えず、最後は急斜面を一気に下ります。
すっかり曇ってしまい、写真映えしない空の色となってしまったこともあり、これ以降、本記事に掲載するほどの写真はありません。
湖南方面を見渡せる地点からは、遠くに三上山や阿星山の姿がうっすら見えており、空模様はともかくとして、登りよりも遠くの山々は見えやすくなっていました。
花脊峠まで戻ってくると、峠上の温度計は入山時と同じ3℃を表示。
下山して何分も経たないうちに、帰りのバスが峠まで登ってきたため、片付けもそこそこに慌ててバスに飛び乗ります。
今の私でも雪山歩きを楽しむことができる適度なスノーシューハイキングでした。
滝谷山(地理院 標準地図)
「滝谷山(タキダニヤマ)(たきだにやま)」
別称として「別所山(ベッショヤマ)(べっしょやま)」
標高875.9m(二等三角点「別所村」)
京都市左京区
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