2014年(平成26年)4月上旬の話。
この日はAさんと「若狭富士」青葉山を登山。
青葉山は福井県大飯郡高浜町と京都府舞鶴市の府県境に所在する東西二峰からなる双耳峰で、お花の山、展望の山としても知られています。
私は毎年のように青葉山に登っており、昨年もこの時期に訪れました。
昨年の話は上の記事に。
昨年同様、今年も湿度の高いもやもやした空模様。
日は差していたものの、春ゆえに展望には期待しておらず、ミスミソウなどを目当てとした花紀行でしたが、意外にも、西峰の山頂、あの岩場の上からは遠く白山(加賀白山)が見えており、一緒に登ったAさんや、他にいらした方々と、この時期に白山が見えるなんて……、と喜びます。
残念ながら、望遠レンズは置いてきたため、明確に分かる形で白山を撮影できません。
西峰の山頂、岩場の上からの眺めは絶景です。
青葉山から日本海を望む構図としては、とくに有名な構図ですね。
上の写真では右奥、若狭湾の対岸、遠くに見える濃い山影は越前福井の山々で、青葉山から対岸の南越前町、越前市側まで、おおよそ65km以上の距離があります。
この構図から少しだけ右(東)を向き、越前福井の山々のさらに向こうに白山が見えていましたが、この日の気象条件では広角レンズでの撮影は困難でした。
西峰から西には舞鶴湾が、南には頭巾山を中心とした若丹国境尾根の連なりが、それに、南東の遠くには釣瓶岳や武奈ヶ岳など、比良山地の山々も見えていました。
近年は春に登る機会が増えた青葉山ですが、また、空気が澄む時期にも訪れてみたいものです。
場所は変わって東峰(本峰)の展望台からの眺めです。
上の写真では白山は左端の奥でぎりぎり見切れている、構図としては、いちおう、立木の後方、はるか遠くに別山が写っているはずですが……、少しだけ左(北)を向けば白山(御前峰)を望むこともできるでしょう。
参考程度に。
眼下に見える高浜湾からは、逆にこちら、富士のような麗しい山容の青葉山を眺めることができ、まさに若狭の「郷土富士」(ふるさと富士)にふさわしい山姿を誇ります。
とくに高浜漁港の周辺は「青葉山の向こうに沈む夕日」の構図の撮影スポットとして知られています。
いわば、「ダイヤモンド若狭富士」でしょうか。
青葉山の京都府舞鶴市側の一般的な上山口としても知られている、「西国三十三所」青葉山松尾寺さんの本尊は馬頭観音さんです。
今年は午年ということで、お馬さんにまつわる場所を何ヶ所か訪れていますが、こちらでもお馬さんの写真を1枚。
青葉山は舞鶴側では「馬耳山」と称したそうで、これは松尾寺さんと、それに、ピークが2座ある双耳峰であることに由来します。
あるいは若狭側から「双子山」とも呼ばれていたとか。
お馬さんの横の木はハクモクレンですが、未開花ですね。
境内のソメイヨシノはちらほら咲きでした。
以下は青葉山で撮影した山野草の写真です。
なんだか変わったお花の付き方、ショウジョウバカマに見えませんね。
ショウジョウバカマは完全に開き切る前の時期も美しいです。
やはり、早春の青葉山といえばミスミソウ。
すでに花期は終わり近いものの、まだまだ咲いていました。
ミスミソウの別名は「ユキワリソウ」。
それで思い出しましたが、この日の青葉山には雪が少し残っていました。
まったくの無雪だろうと考えていただけに驚きです。
右手前が葉で、分かりにくいですが、左にお花が写っています。
サンインカンアオイかエチゼンカンアオイでしょうが、はっきりとは分かりません。
少なくとも私の地元の山々でよく見掛けるミヤコアオイとは異なります。
青葉山のミヤマカタバミは場所によってはピンク色のお花を咲かせます。
ミヤマカタバミは一般的には白花という印象が強く、写真で見ると、ピンク色のミヤマカタバミはコミヤマカタバミと区別が付きにくいですが、実際に観察するとお花の大きさや基部が異なります。
他にも、スミレの仲間、ヤマルリソウ、イカリソウ、キンキマメザクラ、ダンコウバイ(あるいは他のクロモジの仲間も)、キブシ、アセビ、カンスゲ、コブシ(あるいはタムシバ)などのお花が咲いていましたが、写真は撮影していません。
イカリソウはつぼみが目立ちましたが、綺麗に咲いた白花をAさんが発見なさいました。
少しばかり追記しておきますと、この当時、JR小浜線の松尾寺駅のすぐ近く、国道27号沿いで営業なさっていたローソンさん(ローソン舞鶴吉坂店)は翌2015年(平成27年)8月末に閉店なさいました。
遠くから青葉山や松尾寺さんを訪れる予定があり、このコンビニさんをあてになさっていた方はご注意を。
青葉山(地理院 標準地図)
「青葉山(アオバヤマ)(あおばやま)」西峰 692m
本峰 693m
福井県大飯郡高浜町(山体は京都府舞鶴市に跨る)
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