「『あべのハルカス』は岐阜から見える？」
岐阜県から超高層ビル「あべのハルカス」（大阪市阿倍野区）を望むにあたり、どこまで遠く離れた場所から見える（どこから見える、遠望できる、撮影できる）のでしょうか。
「カシミール3D」 を用いて、国土地理院が提供するベクトルデータ「基盤地図情報（数値標高モデル）10mメッシュ」（DEM10B）を基に「可視マップ」を作製、「岐阜県のどこから『あべのハルカス』が見える」か、その範囲を計算、調べてみました。
こちらでは、「『あべのハルカス』はどこから見える？」 と異なり、現地の状況を考慮せず、計算上、「あべのハルカス」が見える範囲（見える場所）を列挙しています。
あくまでも計算上は見えるだけであって、実際に見えるかどうかは分かりません。
図の紫色の地点が計算上の「見える範囲」（可視エリア）となります。
伊吹山地、近江美濃国境（西美濃）
三角点1277.2m峰（点名「川上」）、金糞岳、白倉岳（白倉ノ頭）
岐阜県揖斐郡揖斐川町、滋賀県長浜市
「あべのハルカス」までの距離 約126km（岐阜県の最遠望地点）
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西美濃の山である金糞岳の北0.6kmの地点が「見える範囲」に含まれており、計算上、「岐阜県から『あべのハルカス』が見える最遠望地点」 となります。
「『あべのハルカス』が見える北限（北東限）」の候補地でもあります。
三角点1277.2m峰（点名「川上」）は好展望地ですが、現状、たとえ積雪期であっても、金糞岳の西尾根の肩越しに南西を望むのは困難です。
現実的な範囲で言えば、積雪期に金糞岳の山頂から望むのが最遠となりそうです。
これは、滋賀県、ならびに近畿地方からの最遠望地点と同じです。
（ →「滋賀県から『あべのハルカス』を遠望 近畿地方の最遠は？」 ）
金糞岳の北、三角点1277.2m峰（点名「川上」）から「あべのハルカス」に対する見通し。
あくまでも計算上では「あべのハルカス」が「見えます」。
計算上でもビルの最上部を見通せるだけですが、実際には金糞岳の西尾根に遮られます。
伊吹山
滋賀県米原市、岐阜県揖斐郡揖斐川町
「あべのハルカス」までの距離 約119km（県境尾根）
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滋賀県最高峰である伊吹山の山頂や三角点は滋賀県米原市に所在しますが、滋賀県と岐阜県の県境尾根の一部からも「あべのハルカス」を望むことができます。
ただし、「岐阜県から『あべのハルカス』を望んだ」と見なすためには、頂上部や滋賀県側の展望地、尾根ではなく、必ず県境の尾根を選ぶ必要があります。
立脚点を精密に記録すると良いでしょう。
なお、伊吹山の山頂東部に境界未定地がありますが、この件では大きな影響は与えないと考えられます。
鈴鹿山脈北東部
谷山、ソノド（霧ヶ峰）
岐阜県大垣市、滋賀県犬上郡多賀町
「あべのハルカス」までの距離 約107km（ソノド）
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鈴鹿山脈の北東端、霊仙山の東、岐阜県側にあたる山域、計算の精度にもよりますが、ソノド（霧ヶ峰）が「見える範囲」に含まれています。
金糞岳や伊吹山より距離は短くなりますが、県境の上ではなく、山頂の全域が岐阜県にあたる山から「あべのハルカス」を望む可能性を秘めている点で貴重なため、こちらに記載しておきます。
最後に
金糞岳、白倉岳、伊吹山の周辺は見晴らしのよい好展望地、尾根を抱えていますが、西美濃の山々、伊吹山地から大阪平野は遠く離れており、125kmという距離の壁はいかにも厚く、日中の撮影は困難をきわめるでしょう。
今後の視認例（確認例）、撮影例が楽しみです。
本記事の内容は2013年10月、ならびに2014年1月時点での見解であり、提供されるデータの更新により、今後、計算結果が変わる可能性があります。
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