大阪平野に聳える超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)は、六甲山系(六甲山地)や兵庫県神戸市周辺地域のどこから(どこまで遠くから)見えるのでしょうか。
神戸の六甲山最高峰から大阪平野に対する眺望。大阪の高層ビル群、高見山地などを遠望する。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
あべのハルカス | 27.2km | (300m) | 大阪府大阪市阿倍野区 | |
薊岳 | 86.9km | 1406m | 奈良県吉野郡東吉野村 奈良県吉野郡川上村 | |
高見山 | 84.9km | 1248.4m | 奈良県吉野郡東吉野村 三重県松阪市 | 高見山地最高峰 |
三峰山 | 93.8km | 1235.2m | 三重県松阪市 三重県津市 奈良県宇陀郡御杖村 |
いわゆる「六甲山最高峰」(六甲最高峰)から大阪平野でも主に大阪市周辺を撮影した写真です。
「あべのハルカス」は台高山脈(北部台高)に属する薊岳の右手前に写っていますが、やや分かりにくいでしょうか。
左端付近(大阪市でも北部寄り)の高層ビル群と、右端付近(大阪市でも南部寄り)のハルカスさんは離れています。
六甲山最高峰から大阪の「あべのハルカス」を遠望する。兵庫県神戸市北区・東灘区。
これなら分かりやすいでしょうか。ハルカスさんは左上に写っています。
このように、六甲山から大阪平野に聳える「あべのハルカス」の姿を遠望できます。
これは最高峰に限った話ではなく、六甲山系に属する多くの山々から見通すことができ、ハイカーさんはもちろん、摩耶山の掬星台や、芦有ドライブウェイの展望台など、山中に開けた有名な展望地を訪れた観光客さんの中にも、遠くからでも目立つ超高層ビルに気付かれた方もいらっしゃるでしょう。
そこで、具体的に「六甲山系、神戸のどこから『あべのハルカス』が見える」か調査するため、国土地理院が公開する「基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュ」(10mDEM)を基に、「カシミール3D」 を用いて可視マップを作製しました。
この記事においては、大雑把に武庫川以西(西宮市以西)を「六甲山地」(六甲山系+丹生山系)と扱います。
↓の図をクリックすると拡大表示されますが、表示サイズが大きいです。
(1470x1040px. 610KB)
※より分かりやすくするため、2016年に地図画像を差し替えましたが、可視エリアの計算は10mDEMを基にしており、「見える範囲」は当初公開していた画像と同じです。
図の紫色の地点が計算上の「見える範囲」(可視エリア)です。
「あべのハルカス」に対し、大阪平野でも北寄りの方面が開けている、見渡せる地点なら、山の上に限らず、範囲内の建築物、山裾の高台、海沿いなどから望むこともできるでしょう。
たとえば、王子公園の北西にあたる青谷の高台や、海上にあたる神戸スカイブリッジ(神戸空港の連絡橋)から、私自身、ハルカスさんの姿を目にしました。
行者山東観峰、観音山、東六甲展望台(芦有ドライブウェイ)、風吹岩~荒地山~鷹尾山、六甲山神社(石の舞台、白山の宮)、六甲山最高峰、六甲ガーデンテラス(自然体感展望台 六甲枝垂れ)、天狗岩、油コブシ展望台~高羽道、六甲山天覧台、長峰山(天狗塚)、摩耶山掬星台、菊水山などについては、実際に「あべのハルカス」が見えることを自身で確認済ですが、甲山森林公園や渦森台、灘丸山公園、諏訪山公園ビーナスブリッジといった展望や夜景の有名どころ、須磨浦山上遊園、おらが山(おらが茶屋)から須磨アルプス、高取山にかけての広い範囲から望むこともできそうです。
私は六甲山系の美しい山々も好んではいますが、いかんせん京都市在住の身ですので、範囲内の全てを確認するのは何年も要するでしょう。
読者の皆様も、六甲山系から「あべのハルカス」の姿を探してみてください。
六甲山系の主稜線に遮られるため、丹生山系や裏六甲、有馬の山々は範囲から外れています。
(明石海峡大橋の上を除き、)計算上での西端は神戸学園都市、高塚山の付近(神戸市西区・垂水区の区境)、ならびに、舞子公園、五色山の付近(明石海峡大橋の東)となります。
図の右上(北東)の「見返り岩」の表示を残しているのは、宝塚駅、ならびに武庫川の目印とするためです。
これは兵庫県でもとくに六甲山系に限った話であり、兵庫県全域として「あべのハルカス」が見える西端の地、ならびに見える最遠の地は家島諸島です。
撮影例
摩耶山の掬星台から撮影した写真は上の記事に。
六甲山系でも西部にあたる菊水山から撮影した写真は上の記事に。
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